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NEW TEA LAB #002 美甘朋子 TOMOKO MIKAMO / 米ソムリエ / 京都

Tue, Dec 29, 20

[THEME] 理想の茶漬け

日本茶の可能性を追求する茶葉屋【GEN GEN AN 幻】
その周囲に集うさまざまなジャンルのプロフェッショナルとの茶実験談義「NEW TEA LAB」。第二回となる今回のテーマは、「茶漬けの探究」です。





“茶漬け”探究と、米への愛

「茶屋が考えた理想の茶漬け」への道は、平坦ではなかった。
EN TEA代表の丸若と、お米ソムリエの美甘朋子さんとの出会いは、まだ丸若が茶を手掛ける前のこと。当時から毎日5合ものお米を食して純粋にお米を愛し、お米そのものと真剣に向き合う美甘さんの姿に感嘆したという。
数年を経て2020年、コロナ禍に見舞われ、家にいる時間が増えた今年、改めて「理想の茶漬け」への探究を始めた丸若がふと思い出したのが美甘さんの存在だった。当初は自力で研究し、お米の炊き方や選び方、具材の選定を試行錯誤するも、これといった理想の茶漬けに出会えない。うまくいっても、一度できたものが再現できない。美甘さんのお米への愛の力をお借りして、「茶漬け研究会」を京都でスタートすることになった。


日本に根付く食文化の再定義

そもそも、茶漬けに着目したのには理由がある。日本に暮らす誰もが知る料理でありながら、本来の「茶」でつくる「茶漬け」を知っている人は少ないのでは?という気付きからだ。世間一般に出回っている“お茶漬け”は、言うなれば「出汁漬け」。「茶」そのものをそのまま使った「茶漬け」に触れていないのでは、という疑問を常々抱えていた。
「本当の茶漬けとはなんだろう」
そんなシンプルな問いから茶漬けの旅は始まったのだ。茶と米。誰もが馴染みあるその二つの組み合わせでできる幾通りもの味。いわば日本の食文化を体現しているのが茶漬けであるように感じた。ひとつの器に盛られた米、そこに乗せた具材は茶を通して出汁となる。
茶漬けこそ、日本の美意識の凝縮であり、完全フードなのではないか。
そんな確信ともいえる想いがあったという。


「茶漬け研究会」の研究結果

東京と京都を行き来しながら実施された「理想の茶漬け」探究。丸若が茶葉を選び、美甘さんに茶の評価をしてもらいながら、最も合う米と具材を探していく。茶漬けとは合わないものだと勝手に疎外していた茶葉と、美甘さんが選んだお米が、実はとてもマッチするという驚き。それぞれのお茶に米を選び、炊き方を調整して具材を選ぶこと数ヶ月。そんな過程を繰り返し、「茶漬け」を掘れば掘るほど、「茶」そのもののまだ知らなかった魅力も発見できていく。そんな実験期間を経て、ついにできた理想の茶漬け。「他にはないものができた」という確かな実感がそこにはあった。


日常に取り入れられてこそ「文化」となる

研究を重ねてたどり着いたその味は、疑いから始まり驚きとなり、大いなる可能性を感じさせてくれた。完成した4種類の茶漬けを、「文化」として根付かせたい。そのために、明日にでも真似できるすぐに手に入る食材を使ったレシピの開発を行い、伝達したい。その想いでできたのが、「茶と米」の組み合わせ4種×おすすめ具材2種類ずつ、計8種類の「茶屋が考えた理想の茶漬け」である。


1. 茶:紅焙じ茶 × 米:雪若丸
<EN TEAコメント>
単体では、香ばしくフルーティーな味わいの紅焙じ茶。香ばしさとご飯が合わさるとより深みを増した味わいへ。フルーティーな味わいは塩味と重なり、華やかさはそのままに上品な味わいへと変化。


具材 花錦戸 まつのはこんぶ

山形県庄内産の「雪若丸」は「亀の尾」を先祖に持つ新雪のように白く、一粒 一粒が際立ちしっかりとした歯ごたえ。具材の「花錦戸 まつのはこんぶ」はスッポンの出汁が溶け出すのに時間がかかるため、のびないお米を選ぶことは大切です。雪若丸の一粒一粒は、まつのはこんぶのスッポン出汁の中で、食感が楽しめるお米です。




具材 生麩の田楽(西京味噌)

雪若丸」のしっかりとしたお米は味噌を受け止めるのに充分。味噌はご飯を土台にマリアージュを狙っています。それをお米の深い懐で受け止める、それであれば変化球として柔らかくもっちりとした生麩田楽、溶け出した味噌を雪若丸が受け止めながらのお茶漬けは、まさにお茶、お米、味噌、「日本食」の基本の基のご飯です。




2. 茶:日茶 × 米:つや姫
<EN TEAコメント>
鮮やかな緑色の色合いと同じように、味わいも口の中でしっとりと上品で深い味わいが印象的な日茶。ご飯の一粒一粒がしっとりとした「つや姫」との相性は理想的で、最もシンプルで本質的な味わいをお楽しみ頂けます。


具材 焼鮭と山葵

山形県庄内産の「つや姫」、雪若丸のお姉さんとしてより白くつやのある、「姫」にふさわしい美しいお米です。炊きあがりの香りと気品のある光沢のある白さ、目が覚める思いです。そして、朝ごはんといえば、定番の「焼鮭」とわさび、もう目覚めないわけにはいきません。




具材 太宰府えとや 梅の実ひじき

白くつやがあり、香りが高い「つや姫」が炊きあがったら朝ご飯にふさわしい「太宰府えとや 梅の実ひじき」。梅の実の芳香とシャリシャリ感、噛むほどに甘味が広がる「つや姫」が寄り添います。立て続けに二膳を頂けば、すっかり心も体も目覚め、すばらしい一日の始まりです。さあ、行ってらっしゃい。





3. 茶:(EN TEAで生まれた茶) × 米: 南魚沼産こしひかり
<EN TEAコメント>
香ばしさと甘みが特徴の。力強いこしひかりと相性よくお互いの良い所を引き出し合ってくれます。
緑茶のお茶漬けとは違った、ほっと一息をつきたくなる様な優しい気持ちになれる味わいです。


具材 お茶漬け鰻

南魚沼産のこしひかり、現代の日本人が好む甘味、香り、粘り、つや、弾力の全ての要素を兼ね備えたパーフェクトに近いお米です。こしひかりは福井県で農林1号と22号の親から生まれた優等生、「越の国に輝け」とそのまま日本海側を北上し、新潟県で広く栽培されます。この優等生のお米におすすめすぎる一品「お茶漬け鰻」、脂分が程よく抜けたうなぎからしみだす旨味は、南魚沼産こしひかりの柔らかなお米と絶妙な味わいを醸し出してくれます。自分一人だけで頂きたいお茶漬けです。




具材 ちりめん昆布

内陸の京都でいただく貴重なおじゃこ。じっくりと炊き込まれたお味がお茶漬けでゆっくりと味を出してくれます。柔らかなものがお好きな都人にふさわしい南魚沼産こしひかりとちりめんじゃことお昆布、唯一無二の取り合わせではないでしょうか。





4. 茶:月茶 × 米:仁多米
<EN TEAコメント>
土地のエネルギーを凝縮しつつ透明感のある味わいですが、余韻は生命力溢れ長く口の中を楽しませてくれます。古から肥沃な大地として今に続く産地の良さが詰まった仁多米と似た物同士。日本の原風景を辿る様な体験を味わいと香りで表現してくれます。

仁多米は出雲地方の山地(奥出雲)、八岐オロチ神話が残る地域で取れるこしひかりです。たたら製鉄で使われる砂鉄を採集した土地で牛を飼い、その後に田んぼにするという完全なるエコロジーな稲作り、出雲大社の神様大黒様にふさわしいお米となっています。もっちりと柔らかくそして腰があり、今日一日の出来事をゆっくりと思い出しながらの食事にふさわしく、時間をかけていただくことができるお米です。ゆったりとしたひとときが明日の活力の源になる眠りへと導いてくれます。


具材 香の物(お漬物)

香り高いお漬物は頂くうちに体に染み渡り、心と体をときほぐしてくれます。この香の物の香りを受けてくれるお米は、お米自身も香りが高くなければなりません。それには仁多米は充分に応えてくれます。すっきりとした香の物とご飯の香り、すばらしいアロマの共演は一日の最後のステージを豊かに飾ってくれます。




具材 ドライお漬物

お漬物屋さんが開発したドライフーズ漬物、お漬物を買い忘れた時、何もかも邪魔くさくなった一日の終わりこのお漬物を開発した方に感謝せずにはおれません。冷えた時こそ威力を発揮する仁多米ご飯の上にサッサッと、そしてお茶をかける。これこそ「お茶漬け」の醍醐味です。時短こそお茶漬け(日本のファーストフード)が支持され続けられる大きな魅力です。





数ヶ月に渡る「茶漬け研究会」から生まれた8種類の「理想の茶漬け」。

取り寄せや普段の買い物で、気軽に手に入る具材のみを使ったレシピです。
年末年始の少し疲れた身体にも染み渡る極上の茶漬けを、ご家庭で試してみてください。


マダム・コンダーラ(美甘朋子)
米国、中国、印度、埃及での生活の後、現在は京都在住。お米愛から最低5種類を常備し、それぞれの魅力を探究。米・食味鑑定士資格を所有する「米ソムリエ」。年間1000回以上米を炊き、100種類以上のお米を味わい、今なお1日5合を食する米食のプロ。


Edit & Text:Kana Takeyama(PARK 365

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