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NEW TEA LAB #008 高山都/モデル・女優

[THEME] 茶と寄り添う暮らし

日本茶の可能性を追求する茶葉屋【GEN GEN AN 幻
その周囲に集うさまざまなジャンルのプロフェッショナルとの茶実験談義「NEW TEA LAB」。第八回目は、モデル・女優として活躍するほか、日々のライフスタイルを発信する姿が多くの共感を読んでいる、高山都さんです。創立直後からEN TEAの茶と触れ合っている高山さんに、「日々の茶」について伺いました。



気分で選ぶ茶器とお茶

テーブルに並べられた美しい茶器。普段から、友人を家に招く機会が多い高山さん。来訪してきた友人たちにお茶を淹れるときはまず「好きな茶器、どうぞ」から始まる。



「あえて違う器を出して、そのときの気分でおみくじみたいに茶器を選んでもらうんです。自分の茶器がわかるように、という意味もあるのですが、その方が楽しいな、と。」(高山さん)

この日並んだ器は、2年前に大江戸骨董市で購入したという古伊万里、お茶に限らず、ビールや冷たい飲み物を入れたりしても活用している唐津の健太郎窯の器、ティーポットと同じ、陶芸家・石井啓一さんの器、そして、作陶家・小林耶摩人さんの器だ。

「古伊万里を買った大江戸骨董市で出会ったお店の方の一言がきっかけで、茶器に対するハードルがすっと低くなったんです。器の時代や価値の基準がわからなくて、どれを選ぶのが正解なのかを悩んでいると、『あなたの好きなものを選べば良いのよ。難しく考えずに、お洋服と一緒で、好きなものを選びなさい。』と声をかけてくださいました。そのことばで、器も、直感や好きという気持ちだけで合わせたり選んだりしていいんだという気づきになりました。そこから自分の琴線に触れるものをゆっくりと集めています」(高山さん)

茶器も茶も、その日の気分で好きなものを選ぶと楽しい。この日、EN TEA代表の丸若が用意した茶葉は、EN TEAのブレンドティーライン「茶と今日。CHA TOKYO」の7種類。高山さんの手にするティーポットから注がれるお湯の中でティーバッグがゆらりと揺れて、茶の香りが自然と部屋中に広がっていく。この日、選んだのは、『茶と今日。CHA TOKYO』の生姜焙じ茶

「この生姜焙じ茶は、すごく好きで何回もリピートしています。寒い冬にも生姜のおかげで体の中から温まるし、夏にも、少し濃く出したあとに氷を入れて、冷たくして飲むととても美味しいので。料理とも合うし、単体でもしっかりと味わえる。一番万能で、私の中ではある意味ベーシックなお茶だな、と感じています。EN TEAのお茶は美味しさがとてもわかりやすい。自分でももちろん日常のお茶として味わっていますし、誰にあげても喜ばれます。」(高山さん)



味に気がある方を選びたい

朝、仕事に行く前にお茶を淹れることが多いという高山さん。静けさで満たされた空間の中で、朝ごはんを並べ、香りたつ茶の匂いと湯気を味わう。忙しない一日が始まる前の小休止。ゆっくりと温かいお茶を体の中に入れていくと、お茶の美味しさを体中で感じることができるという。

普段から、どれだけ忙しくてもなるべく自分でごはんを作ろうと心掛けていると語る。少しだけでも自分の時間を使い、一手間をかけることで、「味気ある」ものへ変化することを実感している。

「お茶を淹れる、という行為を日常的に取り入れるようになったのは、ここ2〜3年ほどのことです。料理と一緒で、買ってきたものをただ食べる・飲む、ということではなく、ほんの5分だけでも少し時間をかけてちゃんと淹れると、味気なくない。美味しいものを飲みたい、という気持ちが常にあるので、『味気ない』ものは摂りたくない。『味に気がない』と書いて『味気ない』となるのは納得で、ちゃんと淹れることで、気が入るんですよね。しっかりとした味になる。一手間はかかるけれど、たかが5分でも、譲れないポイントです」



茶道具も時間をかけて徐々に揃ってきたという。一番最新の茶道具は、京都の老舗・金網つじの茶漉し。先日行われた銀座手仕事市で手に入れた。

「ずっと欲しかったのですが、以前京都に伺った時はまだお茶の種類もあまり知らず、お茶を淹れる習慣も今ほどではなく、自分が追いついていない気がしていて、今じゃないのかな、という思いでいました。今、ようやくちゃんと道具を使える自分になってきたな、と感じたので念願の購入です。どんなものでも、作家さんの顔を見て、思い入れを持って買いたいな、と思っているので、先日辻さんと直接お会いできる機会があり、今だ!と思って手に入れました」

ティーポットに茶漉し、茶器、茶筒。テーブルに並ぶ茶道具たちは、時間をかけて選ばれた大切なものという佇まいをしっかりと持って、高山邸に馴染んでいる。



相手を想うギフト

知り合った相手のライフスタイルをきちんと見るようにしていると心掛けている高山さん。ギフトをするときも、その人の人となり、生活習慣に合わせたものを贈るようにしているという。

「お花を誰かにプレゼントするのも好きなのですが、例えばテーブルが小さかったり、花器を持っていない人もいる。そんな人に花束をあげても、もしかしたら迷惑になるかもしれない。なので、お花をあげるときは花器とセットであげたりすることもあります。『茶とコップ』セットもそうで、お茶を淹れる習慣がある人とない人とがいるなかで、入り口として、セットでもらえると嬉しいだろうな、と感じました。今日から始められるスターターセットですよね。押し付けるわけではなく、入り口を手っ取り早く作るということも、ある意味気遣いのひとつだと感じています」(高山さん)



「作り手の立場からしても、本当にそういう想いでつくっています。お茶を淹れ、お茶を飲む、という行為には器が必要。コップを一緒にすることで、何も要らない、お湯だけあればお茶を飲める環境になるのだと。ハードルが高いと思う人もいる中で、『茶とコップ』が良い成功体験になって、もっとお茶を気軽に楽しんでいただけるように、と思っています。もちろん、『茶とコップ』だからといって、このコップでお茶しか飲んではいけないという決まりはない。気分次第で、コーヒーだって、水だって、何だって、自由に飲んでしまえば良いんです。」(丸若)

茶とコップ」は、EN TEAの茶葉ティーバッグ3種類と、VISIONグラスの蓋付きコップ、スリーブが1セットになっている。開化堂の茶簡と釜炒り茶のセット「茶と茶簡」とともに、「ギフトとしてのお茶」に着目したプロダクトだ。


「お茶は手土産や差し入れとしても最適ですよね。気遣いにもなるし、軽いし、ティーバッグだと気軽に気負わず誰でもすぐ飲めるし。プロダクトとしての佇まいも、美しくないものや環境に負荷のかかるものは選びたくないので、中身も作り手の姿も見えて、美しい、そして美味しいものをしっかりと選びたいですね。」(高山さん)



日常に馴染むお茶のある風景。高山さんのライフスタイルの中で、それがとても素敵に見えるのは、忙しない日々の中でお茶を淹れる、その「たかが5分、されど5分」を大切に暮らしているからかもしれない。

Edit & Text:Kana Takeyama(PARK 365




茶とコップ

茶と茶簡
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